Scilab/Scicosで学ぶシミュレーションの基礎2009/06/02 21:42

● 読書記録
Scilab/Scicosで学ぶシミュレーションの基礎 橋本 洋志/石井 千春著
★★★★★
この本はかなりおすすめです。現代制御理論を使って実際に機械の制御をしてみたい方や、制御パラメータの決め方がわからず挫折してしまった方にとっては購入の価値ありと思います。大学の研究室などでMATLABが使える環境にいる人以外は、状態方程式の導出まではなんとか理解してもそこから先になかなか進めないというのが実情だと思います。本書をみれば、SCILABというフリーソフトを使用して制御システムのシミュレーションと制御パラメータ決定ができるようになります。
私の場合、写真のようなロータ型の倒立振子(ムラタセイサク君と同じ)のコントロールを目標にしましたので、最初のSCILABの使い方の章と最後のフィードバック制御の章のみを読みました。多少説明が雑になるところもありますが、許容範囲内と思います。一読してすっきりわかるという感じではありませんが、じっくり取り組めば得られるものも大きいというのが感想です。
今後できれば倒立振子制御の内容についても公開していく予定です。

獄中記2009/06/06 23:10

● 読書記録
獄中記  佐藤 優著
★★★★★
私の数少ない自慢のひとつが、佐藤さんの高校の後輩であるというものです。高一のとき参加していた部活動で、佐藤さんが部長をしていました。当時からカリスマ性があって教師に対しても対等に振舞っていましたから、私などとは思考のレベルが違いすぎてまともに相手にされていなかったと思います。ただ最近の写真のイメージ(上目づかいにじろりと睨む冷徹な感じ)とは違って、ばか話もする面倒見のよい先輩というのがそのころの印象です。自宅に蔵書が3000冊あると聞いて、すごい人は質の前にまず量が常人離れしているのだと感じたものです。
文化祭の打ち上げで初めて(学生服のまま)居酒屋につれていかれたのも思い出のひとつです。こちらのほうは微罪、というかもう時効ですね。

ねじれ脳の行動経済学2009/06/18 22:31

● 読書記録
ねじれ脳の行動経済学  古川 雅一著
★★★☆☆
「「それってあるある」な不合理の数々。特定の部下に厳しい上司、大穴に入れ込む競馬ファン、無理めな新規事業に過大投資……。なぜ人間は損ばかりするのか。行動経済学者が、思い込みの罠のメカニズムを平易に解明」
何となく手にとって何となく買ってしまった本です。人間が進化的に獲得してきたであろう本能がおこなう判断や行動が、ときに合理的でないことがあるという例をあげて楽しむというジャンルのものです。以前に読んだ「予想どおりに不合理」(ダン・アリエリ著)も似たような内容だったと記憶しています。こちらはページ数が多く”途中下車”してしまったのですが、今回は新書で分量も多くないのですぐに読み終わりました。あくまで娯楽本の域を出ていない感じで、もう少し学問的に掘り下げた内容のものがあればぜひ読んでみたいと思います。
慶応大学のWEB講座で関連のものがありましたので挙げておきます。「意思決定能力の開発」